特集

追客の鍵は“必要な時に必要な情報を届ける“。
ユーザーアプローチに必要な取組み方

2020.09.10


新型コロナウイルスをきっかけとして、人々の働き方や購買行動などに大きな変化が起こっています。不動産・住宅事業領域におけるオンライン接客の需要増加も、変化の一つとして挙げられるでしょう。
このような中、LIFULL HOME’Sでは、注文住宅サービスをご利用の会社様に向けて、オンライン接客の活用をテーマとしたWebセミナーを6月に実施しました。
 
オンライン接客は、注文住宅だけでなく幅広い事業領域で今後さらに活用機会が増えていくと予想されます。そこでセミナーの内容から、各事業領域の会社様が共通して注意すべきポイントを中心に取り上げ、第一部・第二部に分けてご紹介させていただきます。
今回は第二部として、インサイドセールスによるユーザーの追客・育成に焦点を当てたセミナーの様子をご紹介いたします。(第一部の記事はこちら)


<第二部 講師>
株式会社エムエム総研 綿貫 亮祐 氏
2017年に入社し、自社でのインサイドセールス活動を経て、
企業を対象としたマーケティング支援を推進。
国内外を問わず多数の企業への支援実績を持つ。

ユーザーの追客・育成の必要性について

私どもの最近の調査データによると、不動産・住宅業界に限らず「会社に問合せる」というアクションを起こしたユーザーのうち75%が、“問合せ時点では直近での購買検討に至っていない”という状況でした。
その一方で、こうしたユーザーのうち80%が、問合せから2年以内に製品・サービスを購入する傾向があるということも分かっています。会社が継続的にユーザーを追客していないと、そのユーザーは競合他社から製品・サービスを購入する結果になってしまい、もったいないことになってしまいます。
 
不動産・住宅業界の皆さまも、まだ具体的に検討していないユーザーから問合せを受けるという経験をおもちかと思います。最近ではコロナ禍の影響で引越しを延期したユーザーもいるので、引越し時期が不透明なユーザー層が増えたというデータもあるようです。
しかし問合せの時点で検討状況が具体的に固まっていなくても、しっかりユーザーを追客して育成していくことが、成果を上げていくために非常に大切なのです。
 

こちらの図は、問合せから受注までの各プロセスにおける各ターゲットユーザーの件数(上段)と、途中でドロップアウトしたターゲットの件数(下段)の構成をまとめたものです。表示されている件数はサンプルなので、各社の数字に置き換えてお考えください。
 
上段にある問合せ・営業対応・受注の件数を上げようと注力される会社様は多くいらっしゃいますが、プロセスの途中でドロップアウトしてしまった下段の件数のほうが多いはずです。これらのドロップアウトしたターゲットユーザーへの対応がおろそかになっている会社様は少なくありません。決してそのまま放置するのではなく、きちんと追客していくことが、営業対応・受注プロセスへの引き上げに繋がります。
 

追客・育成のために「インサイドセールス」がなぜ必要か

近年、労働力の低下や購買環境の変化などを背景に、営業生産性の向上、対応スピードの向上、訪問主体の営業からの脱却といった課題がさまざまな業界で求められています。最近はデジタル化も進んでおり、従来ならば営業マンがお客様と対面して直接伝えていたような高額商品の情報なども、Web上で手軽に収集できるようになってきました。
 
ユーザーとしては営業マンと対面せずに情報を得られるほうが効率的ですし、さらにコロナ禍の影響で、非対面で情報を得たいという意向はますます強くなっています。言い換えれば、非対面でユーザーと接触できる機会を作っておかないと、商談のチャンスが生まれなくなっているのです。
 
ここで「インサイドセールス」が非常に効果的です。インサイドセールスとはメールや電話などを用いながらデスクワーク中心で行う営業活動を指します。特に重要なのは、デジタル化を応用すれば、ユーザーの状況を見極めながら一人ひとりへ最適なアプローチを行うことができるという点です。こうした活動によってユーザーを追客・育成していくことで、その後の商談にも結びつきやすくなります。もちろん商談もオンラインで実施してインサイドセールス化することが大切です。
 
なお、見込み客獲得~追客・育成~商談までのプロセスごとに専任担当を置いて分業できるとよりいっそう理想的です。プロセスごとに必要なスキルが身につきやすく、効率化を図ることができます。

インサイドセールスに取り組むうえでのポイント

<データの一元管理>
インサイドセールスに取り組むためには、ユーザー情報の一元管理が特に重要です。ユーザーの属性や引越し条件だけでなく、興味関心事項や、WEBでどんな行動をしているかなど、追客や商談に活用できる内容を網羅・蓄積しましょう。
 
たとえば、「来年子どもが小学校に入学するのでその時期に引越ししたい」というユーザーがいたとします。そこでしばらく期間をおいてから連絡したら、そのユーザーはすでに前倒して引越ししていた・・ということは、ユーザーの事情次第で十分起こりえます。
しかしユーザーのWEBでの行動を蓄積できれば、特定の時期に物件紹介メールや自社HP等を頻繁に閲覧している様子などをキャッチアップできます。適切なタイミングでユーザーへお伺いの連絡を入れることで、案件のとりこぼしを防ぐことができます。
 
こうした情報が蓄積されると、各ユーザーの状況が分かりやすくなり、見込み度の高いユーザーへ優先的にアタックする計画を立てることも可能になります。また、会社内でスピーディーに共有できるよう、必要な従業員はいつでもデータを見ることができる状態にしておくのがおすすめです。
 
<コミュニケーションチャネル>
電話、メール、ショートメッセージ、SNS・・・ユーザーへ連絡をとるために用いるチャネルは、しっかり見極める必要があります。訪問主体の営業からの脱却が課題とお話ししましたが、その一方で、ユーザーの生活スタイルや嗜好によって連絡がつながりやすいチャネルが異なる点には注意が必要です。前述のデータ管理によって電話での反応やメールの開封状況、返信の有無などを把握しながら、ユーザーにとって最適なコミュニケーションツールを使い分けましょう。
 
<コンテンツ内容>
当然ながら、ユーザーが関心を持つ内容も人それぞれ異なりますので、あくまでユーザーひとりひとりにとって有用な情報を届ける必要があります。キャンペーン情報を配信するにしても「どのユーザーがそのキャンペーン情報を必要としてくれるか」をしっかり分析・吟味した上で、配信先のユーザーを選定しなければ、不要な情報ばかり届けることとなり、敬遠されてしまう可能性があります。
 
蓄積されたユーザー情報からユーザーの属性をきちんと分析したうえで、ユーザーにとって有用とするコンテンツを判断する工夫が必要です。同時にコンテンツの作成ができる体制・仕組み作りも重要です。

オンライン商談時の工夫ポイント

追客・育成の後は商談フェーズに入りますが、オンラインで商談を実施する場合に私が工夫しているポイントも最後にご紹介させていただきます。
 
<カメラと目線の高さをそろえる>
カメラの位置と目線の高さが合わないと、ユーザーを見下ろす、あるいは見上げながら商談をすることになり、不自然な印象に映ります。事前に画面の様子をチェックし、目線の高さとカメラの位置が合うよう整えましょう。
 
<事前に相手方の名前を把握する>
オンラインでは、つながった瞬間から商談が始まるためユーザーの情報を事前にしっかり把握しておく必要があります。
 
<オフラインよりも商談中に質問しすぎない>
確認が必要な部分はもちろん質問しながら商談を進める必要がありますが、細かい部分まで気にして一つ一つ質問しすぎると、自信が無い印象に映ります。
 
<連絡先を二次元コードで表示させる>
名刺をお渡しできないので、代わりに連絡先情報をまとめた二次元コードを画面共有用の資料などに表示させます。もし可能であれば、名刺情報を掲載した画像をオンライン商談画面の背景に表示させるのも良いかも知れません。
 
<ユーザーの話す内容をPCに打ち込まず、あえて紙でメモを取る>
PCのキーボードをカタカタとしばらく打ち続けていると、他のことをやっている印象に見える場合があるので注意したほうが良いでしょう。ユーザーによっては、紙に手書きでメモをとるほうが好印象に見られることがあります。
 
<ザイオンス効果を狙う>
ザイオンス効果とは、同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる効果のことです。1回の商談時間を長く取るのではなく、1回の時間は短くしつつ接触頻度をあげるのがおすすめです。

第一部・第二部をとおして、オンラインを活用した追客・商談の体制は今後ますます必要になっていくことが伺えます。アフターコロナを見据えた新たな集客・追客手法としてご参考にしていただけますと幸いです。

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