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対談:「不動産業界に革新を!」異業種からの参入で新風を吹かせる【後編】

特集2014.11.13

ソニー不動産株式会社 執行役員 風戸裕樹様 
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株式会社ネクスト 賃貸・流通営業部長 伊東祐司

2014年8月のサービス開始より、多くのお客様から高い評価を得ているソニー不動産株式会社(以下、ソニー不動産)様。高品質なサービスを実現する人材育成や、合理化のための取組みとは? 後半ではソニー不動産様の革新的な取組みについて詳しくお話を伺います。

⇒対談:「不動産業界に革新を!」異業種からの参入で新風を吹かせる【前編】

お客様のために働くエージェント制

​伊東 ソニー不動産のサービスで特にユニークだと感じるのが、エージェント制度です。売却専門、購入専門、プロパティマネジメント専門のエージェントをそれぞれ置き、さらにエージェントごとにランクもあるそうですね。

風戸様 はい、それぞれの部門に専門エージェントがいます。業務を兼任しないのは、不透明な両手仲介を防ぎ、お客様のために力を注いでもらうためです。エージェントとは、日本語に訳すと代理人です。お客様の立場になって、お客様の代わりに力を注ぐという決意と思いが込められています。また、エージェントにランクをつけるのは、代理人としての能力をわかりやすくするためです。例えば、売却の際により高く売るための施策プランがどれだけあるかは、エージェントによって違います。より豊富な引き出しを持つエージェントと、経験が2〜3年のエージェントでは結果が違うかもしれません。それをお客様に選んでいただき、能力によって手数料の額も変える、というシステムにしています。

伊東 このシステムではエージェントをいかに育成するかが肝要かと思いますが、どのような教育システムを導入されているのでしょうか?

風戸様 まず、私たちは創業にあたり不動産業界の経験者を集めました。そして、彼らにソニー不動産のDNAを埋め込むべく、動画による座学やロールプレイングなど、さまざまな教育プログラムを行っています。実際にお客様の前に立つためには、試験に合格することが必要なのですが、誰もが少なくとも2回は落第していますね。

伊東 経験者が2回も落ちるのが普通というのは、かなり厳しい試験ですね。

風戸様 そうですね。各専門分野のエキスパートとして知っておくべき知識や理論はもちろんですが、エージェント=代理人としてお客様のためにどれだけ働けるか、というホスピタリティも当然求められます。ただ、当社で働きたいという人は、かつての私がそうであったように不動産業界のギャップやジレンマに悩んだことがある人材がほとんどです。実際は彼らの「お客様のために正しいことをしたい」という、仕事を始めた時の情熱とやりがいを取り戻しているだけなのです。

伊東 会社として「能力」と「ホスピタリティ」の両面を認められないうちは、業務をさせないという厳しさ。お客様第一を掲げる貴社のエージェントにとっては、それをクリアすることも誇りにつながっているのでしょうね。

リーズナブルな手数料で、顧客負担を減らす

伊東 その他、貴社のユニークな施策に、変動型手数料制度があります。これについて説明をお願いいたします。

風戸様 そもそも、売却まで1カ月の物件と半年以上かかる物件では、エージェントが行う施策や手間が変わります。これをどれだけの作業量になるのか「工数」として見える化し、手間が少なかった物件の手数料は低く、施策を多く打った物件はそれに応じた手数料をいただくというのが「かかった分」だけの発想に基づく手数料の考え方です。

伊東 従来は期間や成果に関わらず一定の手数料を頂くのが一般的でしたが、営業工数に応じて手数料が決まるというのは面白いですね。エージェントがどれだけ自分のために動いてくれたかが見えるので、お客様にとっても納得度が高いと思います。他産業でも導入されているITの合理化に近い考えですね。

風戸様 この制度では、多くの物件で手数料を下げることができる可能性が高くなります。私たちは、その下がった手数料分をリフォームなどお客様の物件の資産価値を高くするために使っていただきたいと考えています。

伊東 そうすれば、資産デフレにもなりにくい。素晴らしい制度ですね。

風戸様 私たちは、お客様の資産を最大限に高く売ることが仕事です。「手数料が下がって嬉しい」ではなくて、「下がった分で何をするか」まで提案できることが重要だと考えています。

伊東 この変動型手数料制度は、売却だけでなく購入やプロパティマネジメントでも取り入れているとのこと。とことんまでお客様の利益を考える、そんな貴社の思いが伝わる制度だと思います。

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エージェント制度や変動型手数料制度など、顧客に寄り添うサービスを次々と打ち出しているソニー不動産様。この後は、これらのサービスを実現する社内合理化のための取組みについてお話を伺います。

徹底した合理化で、スピードある成長を目指す

伊東 これまで貴社のさまざまな取組みについて伺ってきましたが、これらを支えるには、徹底した合理化が欠かせませんよね。

風戸様 まさにその通りです。合理化は私たちが掲げるテーマのひとつです。例えば、他社では1人あたり5〜7物件を同時に抱えて仕事をしていますが、当社のエージェントは、40物件まで同時進行ができるように合理化しています。

伊東 40物件!それは驚愕の数字ですね。どのようにすれば可能になるのでしょうか。

風戸様 業務フローの中でエージェントが行うべきことは、顧客のために最大限に頭を働かせることです。煩雑な事務処理などに追われることのないよう、実際に手を動かすアシスタントを別に雇用しており、分業体制を取っています。さらに、顧客への説明もレインズに代わる独自のシステム「ソニー不動産物件チャート」を使い、周辺相場がわかるように透明化することで、納得感が生まれやすくなり、顧客対応時間が短くなります。

伊東 事務作業などの負担を減らし、ITを活用することで、エージェントがより多くの物件を担当できるようになるのですね。

風戸様 40物件を担当するということは、40人の思いを抱える訳ですから、そのフォローは必要です。けれども多くの物件を手がけることで、エージェントの成長も早くなります。さらに、売却、購入とそれぞれの専門に特化していますからその成長速度にはすさまじいものがあります。また、育成という観点からいうと、全エージェントは同じ部署の他エージェントの仕事のやり取りがすべて見えるようにしています。

伊東 他の人がどのように仕事をしているのかが丸わかりということですか。それはかなり大胆ですね。

風戸様 良い取引をしている人は、必ず良い仕事をしています。それを詳しく見ていけば、必ず自分の成長につながります。見られることを意識すればさらに良い仕事にもつながりますから、丸見えになって悪いことは何もないと思います。

伊東 公平かつ公正であることに絶対の自信を持つ貴社だからこその施策ですね。良いエージェントが育つ素地がすでにでき上がっていることに感服いたしました。

不動産業界に新しい価値を提供したい

伊東 それでは最後に、今後のソニー不動産様について教えてください。

風戸様 おかげさまで、開業以来多くのお問合せ、お取引に恵まれています。この風を受けてさらに大きくなるために、まずはエージェントの雇用及び育成が必要です。最近、当社では他の不動産会社に勤務する方たちと「ピザを食べながら理念を語る会」を行っています。ソニー不動産に興味がある方はぜひ、私たちと理念を語り合い、不動産業界に新しい価値を提供するチャレンジに参画していただきたいと思います。

伊東 貴社のチャレンジは、多くの驚きと感動を持って受け止められています。私たちもそのお手伝いができればと思います。

風戸様 HOME’Sさんは、ポータルサイトの中でもいち早く公正化と透明化に取組んでいると感じています。業界の一歩も二歩も先を行くサービスで業界全体のボトムアップを図り、顧客満足を追求する姿は、当社に重なる部分もあると感じています。期待するものは大きいですよ。

伊東 ありがたいお言葉に、身が引き締まる思いです。私たちも、不動産会社様のため、そして利用していただくユーザー様のため、日々より良いサービスを追求しています。「HOME’Sなら安心」そういっていただけるポータルサイトを目指し、これからも歩んでいきたいと思います。本日はありがとうございました。